「夢と違う」
『日向子さんは、ストーカーのような男に追い回される夢を見たんだそうです。
走って叫んで、助けを求めようとしましたが、すぐに捕まって滅多刺しにされてしまったそうです。
自分の物凄い悲鳴で日向子さんは目が覚めたそうです。
ある日日向子さんは近所の公園の側を歩いていました。
すると、なんとあの夢で見た男にそっくりな男が向こうから歩いてきました。
恐怖のあまり、日向子さんは電話ボックスに駆け込み、友人に電話をかけたそうです。
男は何もなく通り過ぎました。
安堵で胸を撫で下ろし、電話ボックスを出て、日向子さんは再び歩き始めました。
するとまた向こうからあの男がやってきたのです。
心臓は乱れ打ち、手も冷や汗でじっとりと濡れています。
しかし、近くに逃げ込む場所がありません。
日向子さんは、男の横を通り抜けました。
男はそのまま通り過ぎながら呟きました。
「夢と話が違うじゃねぇか」』
ガガッ、ピー